私の離婚体験談

眠れない~離婚を決意するまで

私は全く眠ることができなくなりました。不倫が発覚し、それが元夫に知れた頃に記したものです。キーボードを叩きながら、吐き気がこみ上げ、トイレに駆け込んでも吐くものなど何も無く、またパソコンに向かう夜。白々と夜が明けるのがとても恨めしかったのを覚えています。

離婚を決意するまで

眠れない

不倫が発覚し、元夫にも、私が彼の不倫を知っていることが知れた後の頃のことです。

不倫発覚後、離婚を決意できるまでの間、私はろくに眠ることができなくなりました。

また、激しい動悸と嘔吐感に苛まれ、最初にでた医師の診断書では「パニック障害」と書いてあります。

夜な夜な眠れずに、こんなメモを残していました。

この先どんな人生が待ち受けているのか、私には全く分からない。

心臓は一日中激しく波打ち、発熱しているかのように脈拍が速い。

息苦しく、手先は常に小刻みに震えている。

あの日から私は食欲も無く、誰かと一緒で無い限り、食べ物を口にすることは無い。

お腹は悲鳴をあげるのだが、食べ物が喉を通ってくれない。

少し太りすぎたなと気にしていた体重は、たったの二週間で8kg減っていた。

眠ることができない。

眠りのその闇の中で一人になるのが怖く、一度眠ると現実の世界に引き戻されるのが怖い。

最初に様子が変だと感じたのは、彼が大阪から帰って来た直後のことだ。

彼は嘘をついた。

ある日彼の帰りが遅くなった。

普段の私は仕事で忙しい彼の帰りは気にならない。

気になるとすればそれは彼の健康であって、相手が誰かということは基本的には気にならない。

なのにその日ばかりは気になって仕方が無かった。

そして相手は彼女だった。

彼は嘘をついた。

相手は男性だと言った。

私は目をつぶり暗いところへその思いを閉じ込め、蓋をして見ないようにしていた。

けれど…カードの明細記録に、事実と異なる引き落としが増え、私の不安は抑えられないようになっていった。

もう、確実に、彼は私の元にはいない。

小さい喧嘩は度々あったが、私にとっては些細なことだった。

彼の帰りを待って、携帯電話にメールを打つのだが返事が無い。

携帯での連絡の行き違いはすでに何度もあったし、そのことで原因で喧嘩になったこともあったので、些細な行き違いなら問うほどのことでも無いと思っていたが、それも「予感」だったのだろうか。

本当に私のメールは届いていないのか。

現実的な処理として、メールでの連絡にあまりにもタイムラグがあったり届かなかったりで私たちの連絡に支障を来たすのであれば、電話機を新しくするなり、何らからの対処を考えなくてはと思って…

軽い気持ちで、本当に軽い気持ちで、彼の携帯電話のメールを見てしまった。

あの時の衝撃は一生忘れることはないだろう。

彼女宛で、「まえ(仮名)愛してるよ」と送信履歴が残っていた。

彼の所有物を勝手に見てしまったことに対する罪と、自分の息がとまるほどの苦しい感情と、どう秤にかけて対処すべきか、私には分からなかった。

彼は完全に私のところにはいない。

それをどう受け止めたらいいのか…

白々と夜が明ける。

かすかに残った自分への自信を奮い起こして、私は彼に気持ちを伝えるべくメールを送信した。

彼の返事は予想通りのものだった。

事の真相には触れていない。

どうとでも取れる内容のものであった。

私は彼の顔を打ってしまった。

そんなことをされて黙っていられる彼ではない。

彼は鬼のような形相で、私の顔を三度打ち、首を締めた後、投げ飛ばした。

私は彼をにらみ返し、彼も私をにらみ返した。

どうしてこんなことになってしまったのか…

ボタンの掛け違いはどこから始まってしまったのか…

つらつらと考えつつ、一人になった私は泣くこともできなかった。

彼の言う言葉は私の心に深く突き刺さった。

もちろん私の発した言葉も、彼は一生許せないだろうと思う。

どうしてこんなことになってしまったのか。

不安で胸が潰れる毎日だ。

悪魔が私の心臓をつかんでその鋭い爪を立てている。

毎日その爪の食い込みが深くなっていき、私の心臓は出血がひどい。

息が荒く、動悸は止まない。

震える手先を周囲の人に気づかれないようにすることで頭が一杯だ。

友人には私を冷静だと評価してくれる人もいるが、私はこんなにも感情的だ。

もともと猜疑心や独占欲が強かったので、彼にはそれを出さないよう、努力したつもりであった。

おそらくは彼にしてみれば、逆に自分に対して無関心な妻と映ったかもしれない。

こんなことになってしまった今、抑えていた猜疑心や独占欲に火がつき、あっという間にそれは大火となって今私を苦しめている。

多分、彼のことも苦しめているのだろう。

欠点の無い人間なぞいない。

彼が私の欠点なら百万箇所だって指摘できるように、私にも彼の欠点が手にとるようにわかる。

でもそれは憎しみであったり浮ついた心に繋がったりするようなものでは無いはずと、少なくとも私はそう考えていた。

私は彼の欠点すら愛しているし、妥協点を見出す必要があれば、それとなく話もしてきたはずだった。

けれど彼はいつでも私に不満は無いと言っていた。

それはきっと私に心が無かったから言えた台詞だったのだろう。

不満が無いはずは無かったのだから。

それでも私に残された道はひとつしかない。

他人にやられたら嫌なことはしないと、硬く心に誓っていたはずだったが、きっと彼に嫌な思いをたくさんさせたことだろう。

今の私には、元の関係に戻ることと、離婚して彼をその呪縛から解き放つことと、どちらがいいことなのか分からない。

分からないけれど、努力をするしか無いのだ。

その上で決断を出すその時を待つしかない。

辛く苦しく、おそらく今までで一番悲惨な戦いになることだろう。

何が勝ちで何が負けになるのか、私には分からないが、最後のその瞬間まで、笑って過ごしたい。

死が二人を別つその日なのか、生きながらにして別れることになるのか。

それは全く闇の中だけれど、最後まで笑って過ごしたい。

笑ってそれこそ神様のような笑みで、別れの言葉を言いたい。

とにかく眠ることができないので、ふわふわと地に足がついていない感じがしていて、言動がどんどんおかしくなっていきます。

パニック障害の症状も人によって様々だと思いますが、私の場合は、動機が激しく常に嘔吐感がありました。

体を横にしても、全身が鼓動を繰り返しているようで、あの状態で眠ることなどできません。

そして一睡もしないまま出勤という生活を繰り返していました。

このメモを残したのは、その中でももっと眠れずにいた、不倫発覚し、それが元夫に知れた頃に記したものです。


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